私はどうして陶磁器ならびに漆器などをつくるようになったか――みなさま大方はご存じのことと思いますが、私は料理を始めてから、ここにこうして窯を築 き、陶磁器ならびに漆器類を、みずからつくっています。 なぜ、私がこうして陶磁製作に熱中して、みずから手を下すことにしているか、傍からご覧になると甚だ物好き過ぎるように思われましょうが、
私はどうして陶磁器ならびに漆器などをつくるようになったか――みなさま大方はご存じのことと思いますが、私は料理を始めてから、ここにこうして窯を築 き、陶磁器ならびに漆器類を、みずからつくっています。 なぜ、私がこうして陶磁製作に熱中して、みずから手を下すことにしているか、傍からご覧になると甚だ物好き過ぎるように思われましょうが、本人の私は、 これが当然であると思っているのでありまして、今日はお土産話に、その理由を一言申し上げてみたい。 いずれも料理道の専門家であり、大家でおられるみなさまを前にして、料理の話をいたしますのは、いささか失礼になりますが、しばらくは、ご宥免を願いた いと思います。 仮りに私が申してみますれば、料理も刺身なら刺身で、庖丁の冴えとか、取り合わせのツマの色、あるいは形、そういうものを大切に注意しますが、それはど ういうことかと言えば、そうすることによって料理に美しい感じを与え、全体としてみれば、料理がそれによって美味くなるからにほかなりません。 こういうふうに、料理において尊ぶ美感というものは、絵とか、建築とか、天然の美というものと全く同じでありまして、美術の美というも、料理上の美とい うも、その元はひとつで、同じ内容のものであります。三鷹 歯科
2014.06.28 14:11
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