お八重さん (せんべを与へながら)あんまり減つてるとわかるから、もうこれだけよ。 おしまさん わからないもんだね。内幕つてものは……。 お八重さん それからつていふもの、奥さんはそれやあたしをよくするの。 おしまさん あひみ互つてことがあるからね。 お八重さん だけど、いつまでも、こんな風にしてていいのかねえ。相談しよつたつて、相談する人はなし……。
お八重さん (せんべを与へながら)あんまり減つてるとわかるから、もうこれだけよ。 おしまさん わからないもんだね。内幕つてものは……。 お八重さん それからつていふもの、奥さんはそれやあたしをよくするの。 おしまさん あひみ互つてことがあるからね。 お八重さん だけど、いつまでも、こんな風にしてていいのかねえ。相談しよつたつて、相談する人はなし……。 おしまさん 旦那さんに、さう云つてみたらいいぢやないの。 お八重さん なんてさ。 おしまさん なんてさつて、あたしの知つたことかね。 お八重さん だつて、あたし、旦那さまの顔を見ると口が利けなくなるんだもの。 おしまさん どうして? お八重さん どうしてだか……。 おしまさん 罪なことをするよ、ほんとに、……。だから、男はきらひさ。 お八重さん あたし、奥さまに悪いから、お暇を頂かうと思ふの。 おしまさん 奥さんに悪いよりなにより、あんたが、それぢや、可哀さうだよ。 お八重さん さうかしら……。 おしまさん 暇なんか取らなくつていいから、どつかへ、家を持たせてお貰ひよ。月々百円も出して貰つてさ、暢気に暮したらいいぢやないか。 お八重さん あたし、お妾なんかになるのはいやだわ。 おしまさん ぢや、奥さんを逐ひ出して、その後釜に据わるといい、お前さんにその腕があるかい。クリスタルという都町のピンサロで遊んだ体験談
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