最近アメリカで

編 最近アメリカで、外国劇の演出に当つて、原作を非常にアレンヂしてゐるらしいが特にサルトルの「汚れた手」をずゐぶんアレンヂしたために原作者と問題 を起してゐる……。  それは日本で言ふ翻訳劇の問題として興味がありますね。

編 最近アメリカで、外国劇の演出に当つて、原作を非常にアレンヂしてゐるらしいが特にサルトルの「汚れた手」をずゐぶんアレンヂしたために原作者と問題 を起してゐる……。  それは日本で言ふ翻訳劇の問題として興味がありますね。外国の芝居を他の国でそこの国の言葉で上演する場合に、ある程度アレンヂしなければ原作の本当の 意味と面白さを伝へることが出来ないといふ原理が新しく問題になる訳です。あまり原作の一語一語にとらはれてしまつては原作を理解させる障害にすらなると いふことをね。そこはなかなか程度があつてむづかしい。それはしかし演劇の本質論といふものと少し違ふんぢやないかと思ふ。いまのサルトルの原作をアメリ カでどういふ風にやつたか、原作の逐字訳と対照してある雑誌に発表されてゐるさうだが、僕は読んでゐませんが、その話を聞いて、非常に面白いから、是非日 本にもその訳の対照を発表してくれと言つたが……。僕は日本で外国劇を訳す場合逐字訳で原作に忠実であればまづ無難だといふ気がするが、上演の時はたしか に困る。第一、長すぎる。第二に、むづかしくなりすぎる。しかし、どうすればよいか、といふことは僕には見当がつかない、そこはアメリカ人はきつと単純に 思ひ切つたことをしてゐると思ふ。 オンライン 英会話 レッスン

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